直子先生 |
Q:どんなレッスンをされていますか?
初級の学習者
先ずしっかりと確認していくのは、「人称代名詞と格」です。
中学で履修したI, my, me, mine…という格による変化です。
ある程度単語を知っていると、単語を思いつくままに並べて、とりあえず「英単語」を
発することはできます。このプロセスも恐れずにやってください。そこから英語の文章に
大切な「主語+動詞」ということを意識しながら、講師が修正していきます。
この「間違える」→「講師が修正」→「なるほどと気づく」→「修正」というプロセスを何度も繰り返していくうちに「講師が修正」の部分が徐々に減っていきます。
「間違える」→「自分で気づく」という風になっていきます。この「気づく」ことが
とても大切です。その為には先ずはどんどん間違ってみましょう!
また、YES/NOで答えられる質問に対しては、必ずLong Answerで返答することを徹底します。例えば質問が Do you like music? だとしたら、Yes! で終わらせずに、Yes, I do. I like music. と答えます。
面倒でも、これを繰り返すことによって、英語の構成、発音、リズムというものが頭だけではなく、「体」に取り込まれていきます。
取り上げる題材は学習者の目的を考慮して決めていきます。
旅行での一場面や仕事場での電話応対、など、カードやプリントを使いながら、簡単な表現から徐々に表現を増やしながら、学習者自らが応用できるように徹底して練習します。
中級の学習者
Long Answerはどのレベルの学習者でも徹底していきます。
修飾語などが付いたある程度長い質問文でも、一語も残さずにLong Answerで返答します。
Did Taro and Hanako get divorced last month? という問いにもYes, they did. Taro and Hanako got divorced last month. という風に答えます。
実際に英語圏の人々が交わしている会話は勿論 Yes. No.だけで済まされている場面が当然多いのですが、取得する目的では、とにかく英語をどれだけ多く口から声に出して発話するかが勝負です。
自分で言えば言うほど、英語の発音や抑揚だけでなく文法すなわち英語の構文というものが体に入っていき、それを必要な時に自分で発することができるようになっていきます。
上記のことを徹底しながら、基本に常に戻りながら、少しずつ構文を増やし、カードやプリントを使って、何度も繰り返して練習します。
また、中級者はシャドーウィング(サイレント・シャドーウィングなど、声に出さずに相手が言っていることをブツブツとシャドーウィングしていく練習)や、100~200字程度の文章の暗唱などをやっていきます。
TOEIC対策
テスト対策としてのコツは紹介していきますが、あくまでも目的は「英語の習得」です。実際に英語を使う場面で「穴埋め」形式で会話がなされたり、メールを書いたりすることは決してありません。穴埋め練習ばかりやっていても、例え効果があったとしても穴埋めだけです、それも若干。とにかく英語を沢山読みましょう。
200字程度の英文の暗唱も積極的にやっていきます。沢山読む、暗唱することによって、リスニングにも効果が出てきます。
幅広いスコアを対象に、学習の仕方を厳しく指導していきます。宿題もある程度の量を
こなしていきます。
Q:これまで教えた経験の中で一番印象に残った出来事を教えてください。
いつも感動的です。講師の私自身も勉強させられる、とても貴重な時間を共有できます。
以前、TOEICコースで、写真問題を練習でやっていた時に、ライオンの親子の写真に対して、There are cubs …という文章がありました。この「cub」という単語がその時の学習者達には新しいもので、ライオンや熊などのような動物の子供を「cub」という、ということを学んだ際に、ある生徒さんが「cubには”悪がき”という意味もありますか?」と質問されました。私はこの問いに対して答える知識を持っていなかったので、「わかりませんが、皆さん一緒に調べてみましょう!」と言って生徒さん方も各自、辞書で調べてみました。
すると、確かに「不作法な子供」という意味が載っているのです!その生徒さんは「昔テレビでやっていた”魔法使いサリー”の弟がカブっていう名前でしたよね。ふと思い出して、もしかしたらって思ったんです!」とおっしゃいました。その時はクラスの
皆がその番組を知っていて、皆でなるほどなーと笑い合って、とても和やかなそして知的好奇心が満たされるとても幸福な瞬間を共有した思い出があります。
この思いでも、この単語の意味も忘れることは決してありません。言うまでもなく・・・
Q:レッスンで心がけていることはありますか?
あいまいで終わらせないということです。学習者の貴重な時間です。あいまいな理解で終わらせてしまっては60分がもったいない。分かったような分からないような、でも何となく「Yes」と言ってしまう場面もあるでしょう。Do you have any questions?という問いに9割の生徒さんはNo.とおっしゃいますが、是非、無理やりでも質問をして欲しいと思います。今更聞けないなどと思わずに、何度でも聞いてください。知的好奇心を大切に、小さなことでも疑問に感じて探求していくことが大切だと思います。
Q:講師をしていてよかったなと思うことはなんですか?
色々な方に出会えることです。
そして、各学習者の方が、ご自分の目標に一歩でも近づいている実感を持てた瞬間を目にする時、自分のことのように嬉しく感じます。
Q:ご自身はどうやって英語を身につけたのですか?
文法知識は基本からしっかりと身に付けていきました(市販の文法書を使ったり、学校に通ったり)。習得には、徹底的に読む、聞く、書く、話す、を繰り返しました。テレビ、映画を駆使したり、推理物が好きなのでその類の洋書を沢山読みました。
海外に住んでいたので、話す場面には事欠きませんでしたが、それでも積極的に人と話す、人の真似をする、新しく耳にしたり目にした単語は調べて、直ぐに使ってみる、最初の頃は辞書を肌身離さず、常に携帯していました。
電車の広告を見れば辞書で調べたり、手帳に写したり、レジで並んでいる時に後ろの人が知らない単語を言っているのを耳にすれば、手帳に書いたり、とやはり地道なことをコツコツとやってきたと思います。
Q:英会話上達のコツがあれば教えてください。
継続です。英語に触れることを日常にしていまうことでしょう。
日本に居ても、工夫次第でそのような環境を作ることは出来ます。
問題は実行するかしないか、ではないでしょうか。
Q:これから英会話をはじめようと思っている生徒さんへ一言!
英会話を始めるきっかけは多種多様でしょう。
しかし、実際に習得しようとなれば、その道のりは決して平坦でもなければ短くもありません。
これは共通しています。自分が何のために英語を習得したいのか、そして、どの位使えるようになりたいのかを、出来れば具体的にイメージすることが大切でしょう。
目標はいくら高くもっても構わないと思います。そこへたどり着くまでの途中の自分、例えば半年後、1年後、3年後自分を時々イメージしながら、今やれること、やった方が良いことを貪欲にやり続けていけば、きっと答えはでるはずです。