Q:どんなレッスンをされていますか?
語学は「学習」と「練習」、どちらが欠けても思うような効果があがらないと思います。レッスンの中では「学習」と「練習」のバランスが大切。学習した内容が十分実際の会話で生かせるように、練習やドリルを入れながらステップバイステップで確実に身につくように工夫しています。得意なレッスンは発音矯正です。英語が英語らしく聞こえる発音のコツや、曖昧母音と呼ばれる日本人が苦手とする
音をわかりやすく教える事です。 英語特有の音やリズムを理解する事は聞き取りにもとても有効な方法だと思います。
Q:これまで教えた経験の中で一番印象に残った出来事は?
私はいつも生徒さんには
「週に1~2回のレッスンだけでは話せるようにはなりません、自宅学習の習慣を 身につけて毎日少しでもいいから英語に接するようにしてください。」と言います。
「なるべく楽に英語を身につけたい」と思っている人には厳しい言葉かも知れません。 しかし、英語に限らず、何であれ、一つのことをマスターするのに「楽な道は無い」
という事をわかって欲しいからです。特に語学は毎日の積み重ねが大切です。
ある生徒さんで、「どうしたら英語が話せるようになりますか?」と言うので毎日音読を続けるようにとアドバイスして、自宅学習が出来るように宿題を出すことにしました。
その他にも毎回基本的な英単語と例文をいくつか渡して覚えるように言いました。
彼女はほんとうに毎日音読を続け、毎回例文も暗記してきました。 「英語を話せるようになりたい!」という彼女の強い気持ちがこちらにもヒシヒシと伝わって来て 「絶対話せるようにしてあげたい」という私の気持ちもますます強くなるような生徒さんでした。
しかし語学というのはどんなにがんばっても短期間に急に上達するという事はなかなかありません。人間はがんばっても結果が見えない状態が長く続くと嫌になってしまうものです。
「こんなにがんばっているのになかなか上達しない」と落胆し、英語が嫌いになってしまう人を何人も見てきた私は、彼女には同じ思いをさせたくないと思いました。
そんな時、ちょうど彼女が海外旅行の計画をしている事を知り、旅行のシュミレーションをする事にしました。 宿泊予定のホテル、行く予定の観光地、ショッピング、レストラン、あらゆる状況で
使いそうな英語表現を作成し、ロールプレイ。聞き取りもできるように発音矯正。とにかく、出来るだけの準備を徹底的にやりました。
そして数日後、旅行から帰った彼女が ”こんな事も言えた!” ”こんな事も聞き取れた!” とほんとうに嬉しそうに話してくれた時は私も一緒に喜びました。
でも、私にとって一番嬉しかった事は、その日から彼女にとって英語がただの「語学」では無くなったという事です。
彼女が旅行先で言えた英語も、聞き取れた英語も実は簡単なものばかりです。しかし、実際の状況で「使えた」感動は大きかったと思います。 特に日常生活の中で英語を使う機会の少ない人にはこうした感動は今後の学習の大きな励みになります。
今も彼女は毎日音読を続け、英語の例文を暗記しています。以前よりも、もっともっと英語を身近に感じながら。 もしかすると、彼女の頭の中にはすでにはっきりとそれらを「使う」状況が見えているのかも知れません。
彼女の英語は確実に上達しています。
Q:レッスンで心がけていることはありますか?
語学は継続する事が一番大切です。継続するために一番必要な事は「強い動機」もそうですが、 何よりもまず「好きである事」だと思います。 どんなに強い動機があっても好きでない事を続けるのは
かなりの苦痛です。レッスンでは生徒さんが英語に興味を持ち続け、好きでい続けられるよう心がけています。
Q:講師をしていてよかったなと思うことはなんですか?
自分が教えている生徒さんの英語力が上達したなと実感する時が一番楽しいです。 講師をしていなかったら生徒さんと上達の喜びを共有する事は出来なかったと思います。
Q:ご自身はどうやって英語を身につけたのですか?
6年間のアメリカ留学とその後、趣味で立ち上げた国際交流サークルの活動が英語を身につける上で大きく役立ったと思います。 留学もサークル活動も私にとって英語は「知識」や「教養」では無く、
まさに情報の伝達、意思の疎通という意味で無くてはならない「道具」でした。 英語を早くから「道具」と割り切り、使いこなしてきた事が、結果的に実用的な英語力を身につける事になったのだと思います。
「知らなければならない事」「伝えなければならない事」がたくさんある人ほど英語は早く身に付くと思います。
Q:英会話上達のコツがあれば教えてください。
いつ使うかわからない英語表現を覚える事ほどつまらない事はありません。よほど根気の良い人でもすぐに飽きてしまいます。 上達のコツは「使う必然性」「使わなければ困る状況」を強制的に作る事です。
英語しか通じない友達を作る、英語でボランティアをする英語のサークルに入る、海外の人とメール交換する、 どうしても読みたい英語の本を見つける、などなど、方法は様々です。
つまり、英語を「勉強」するのでは無く、必要にせまられて「使う」事です。
貴方の日常生活の中で英語が無くてはならない要素になった時、気が付けば話せるようになっている事でしょう。
Q:これから英会話をはじめようと思っている生徒さんへ一言!
「千里の道も一歩から!」 最初の一歩を踏み出さない限り何処へもたどり着きません。
「今日の自分が一番若い!」 今日の貴方以上に若い貴方はこの先一生無いのです。始めるなら今!