ハロウィンは仮装の日ではない!? 外国の行事をイベント化する日本人の宗教意識を英語で説明する方法

海外に旅行や滞在中、現地の人と会話したときに、“What’s your religion?”ときかれたことのある方も多いのではないでしょうか?
キリスト教徒をはじめ、何らかの信仰を持っているのが普通である欧米ならではの問いですね。

だいたいの日本人は“I’m a Buddhist.”と答えながらも、

「私って本当に仏教徒かな?お墓はお寺にあるから、やっぱり仏教徒かな。
でも、クリスマスも祝うけど。無宗教ってなんて言うんだろう。やっぱり仏教徒って答えが無難かな」

と内心、自問自答しているのではないでしょうか。

やおよろずの神の日本:外国の行事をアレンジして楽しむことができる国民性

たしかに、日本人は彼岸やお盆といった仏教行事を行いますし、お寺のお墓に入るのが一般的です。
一方で、イエス・キリストの誕生日であるクリスマスも祝います。
実はバレンタインデーやハロウィンもキリスト教の行事ですが、これらにも毎年のように参加します。
さらに、正月には初詣として神社に参拝します。

しかしながら、これらは宗教的な行事としてというよりは、年間イベントとして参加している人がほとんどではないでしょうか。

欧米では、クリスマスは日本の正月のように家族が集まって、教会に行ったりみんなで夕食をとり、救世主イエス・キリストの誕生を祝う日です。

バレンタインデーはキリスト教の愛の聖人とされるバレンタインを記念した日です。

ハロウィンは元々、ケルト人がキリスト教改宗前、10月31日に秋の収穫を祝うとともに、悪霊を追い出すために行っていたお祭りだと言われています。

日本でのこれらの行事をみてみると、

クリスマス=カップルデー、
バレンタインデー=女性から男性にチョコレートをあげる日、
ハロウィン=仮装の日

というようになっています。
日本人は外国由来の行事をアレンジして楽しんでいるのが分かりますね。

日本人は古代から現代まで、自然万物に神が宿るという宗教観を持っているといわれています。
これは、神道に深く根づいた考え方です。
この考え方ゆえに、多様な宗教の行事を受け入れ、イベントとして参加することが可能なのでしょう。

あなたの宗教は?と外国人に聞かれたときの、英語での伝え方

では、これらを英語で表現するとどうなるのでしょうか?
まず、“I don’t have any religion.”と無宗教であることを述べるか、”I’m a Buddhist, but I don’t practice it. ”と仏教徒であるけれども、実践していないと形式的には仏教徒であると伝えるのが有効だと思われます。

ただし、日本文化になじみがない人や、無宗教の人を見たことがない相手にとっては、無宗教であるとか、自分が何を信じているか分からないというのは、自分が何人であるか分からないというのと同じくらい理解しがたいものであるそうです。
そのような場合、”I’m a Buddhist, but I don’t practice it. ”と言う方がコミュニケーションがとりやすいかもしれません。
事実、私もアメリカ人で”I’m a Christian, but I don’t practice it. ”と言う人を何人も見たことがあります。

次に、”However, Japanese also celebrate many Christian events just as events.
In Japan, Christmas is a day for couple.
On that day, many young couples have gorgeous dinner in fancy restaurants, and stay in expensive hotels.”

というように、日本でのクリスマスがカップルの行事であることを伝えれば、相手は日本の状況が把握できた顔をします。

祝い方の面では、バレンタインとハロウィンについては、

”On Valentine day, women give chocolate for men in Japan.“

と、ハロウィンに関しては

”In Japan, Halloween is the day to wear a special costumes and go to parties.“

と言うことで日本での祝い方を伝えることができます。

さらに、神社参拝も伝えたい場合は“On New Year’s Eve or New Year’s Day, we go to shrines to pray our fortune for new year.”と表すといいでしょう。

“What’s your religion?”には、複数の文で答えるのがコツ

いかがでしたか?
海外に旅行や滞在中、現地の人と会話したときに、“What’s your religion?”ときかれたら・・・
英語で質問されると、一文で答えようという意識が無意識に働いてしまい、その結果、なんと返答していいか分からないということになることもあるのではないでしょうか?

上に書いたように、状況を表すために複数の文を使って話すと、日本のことをよく知らない相手にも伝わりやすいと思います。
一文ずつは、中学校で習う基本的な文です。それが、いくつか連なると流ちょうに見えますよね。

同じ語彙力、文法力でも話せる人と話すのが苦手な人の差が生じるのは、伝え方のコツを知っているかに起因します。
もし、なんて表したらいいか分からない場面があれば、ゆっくりでいいので、一文ずつ話してください。
それを接続詞でつなげば立派な長文になります!