自動詞と他動詞の見分け方

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TOEICの問題集をといていたときのことでした。

Sales of European furniture have increased (substance / substantially) over the last few years.
(参考元:TOEICテスト書き込みドリル)

この問題の解説として、

「売り上げ(sales)が増加(increase)したのだから、
他の情報は全て補足情報。
目的語は取らなくても意味が通じるのと、
『売り上げがsubstanceを増やす』という文章では意味が通じないので、
文全体の意味を強調する『大幅に』という
副詞のsubstantiallyが正解です。」

とお伝えしました。

ここで生徒さんは、

「でも『increase ○○』で『○○を増やす』という意味があるので、
increaseの後に名詞が続いても大丈夫。
なのでsubstanceの可能性もあると思う。」

確かに、increaseの後に名詞が来る文もあります。
私の説明が足りなかったですね・・・。

ここは文の意味を考えなければなりません。
以下の例を見てみましょう。

1. Our sales increased substantially last year.
2. We increased our sales substantially last year.

違いがわかりますか?

上の文では私たちの売り上げ(our sales)が増加(increase) したんですね。
下の文では私たち(we)が売り上げ(our sales)を増加(increase)させたんですね。

上の文はもしかしたら外的要因で売り上げが上がったのかも。
下の文は私たちが努力して売り上げを上げたニュアンスがあります。

このように、主語が直接その結果を「起こして」いれば
目的語となる名詞を取らず、
主語が目的語に影響を与えていれば、
影響を与える「物」が必要なので
目的語となる名詞が必要、ということです。

「主語」が「○○した」のか、
「主語」が「何か」を/に「○○した」のか、
と考えても良いかもしれません。

他の例も見てみたいと思います。

1. That bell rings once an hour.
2. He rings that bell once an hour.

1は、「あの鐘は1時間に1回鳴る。」
2は、「彼は1時間に一回鐘を鳴らす。」

両方ともringという単語ですが、名詞を取る事もできるし、
名詞を取らずに使うこともできます。
1の鐘はきっと自動的に鳴る鐘で、
2の鐘は誰かが鐘のところにいって鳴らしているんですね。

なので、

ring the bell という表現を見たことがあるから
というだけの理由で
「名詞が後に続いても大丈夫」と決めるのではなく、
やはり文脈から意味を通るよう
文を作っていかなければならないということです。

このように、文脈によって、
自動詞としても他動詞としても使える単語が沢山あるということです。
なので、TOEICで高得点を狙っていくのであれば、
やはり機械的に解いていくのではなく、
意味を考えながら問題に取り組む必要があります。

ちなみに、自動詞としか使わない単語、
他動詞としてしか使わない単語もあるので
載せておきます↓

自動詞としてしか使われない単語
●arrive
例:I arrived in London at 6:00.
(主語が到着するしかないので。)

●occur
例:An earthquake occured last night.
(日本語では、地殻変動などが地震を「起こす」とも言えますが、
英語では、地震は「起こる」ものであるという考え方。)

他動詞としてしか使われない単語
●resemble
例:He resembles his brother.
(resemble+人で「~に似ている」。
似ている対象の人がいないと文が成り立たないので必ず目的語が必要)

ちなみに、listen to music、look at the pictureなど、
名詞と動詞の間に前置詞が入るものは
名詞が直接動詞の後に来ているわけではないので
自動詞ということになります。
こういう単語は前置詞とセットで覚えましょう♪