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「~を英語でどういう?」と疑問に思った表現を
辞書で調べてもどこかしっくりこないことありませんか?
そんな時はたいてい「背景にある文化」のせいで訳しずらくなっている表現だと思います。
生徒さんより以前質問のあった表現のなかで、お仕事に関するものをいくつか挙げてみます。
仕事に対する姿勢や考え方の違いがみえてきます。
そんな文化背景や文法も交えて解説します。
1.サービス残業、を英語でどう言う?
サービスというカタカナがあるのでserviceを使いたいところですが、
そもそも「サービス残業」が何かを説明してみましょう。
「時間外手当がつかない残業」と辞書にあります。
払われない残業、ということで英語では unpaid overtimeといいます。
「報酬なしで時間外に働く」ことにサービス(他人のために働くこと)という表現をつかうのは
日本人らしいといえばらしいですが、英語圏ではいい意味にはとらえられません。
むしろ時間内に終わらせられない能率の悪さをイメージする人もいるでしょう。
カタカナを使った表現は要注意です。
一旦、本来の意味を含む言い方に換えてから英語にした方が伝わる確率大です。
2.新卒/就活/内定、を英語でどう言う?
新卒は卒業したて、ということでrecent graduates、もしくはnew graduatesといいます。
日本では多くの新卒生が黒いスーツを着る。
就活はjob huntingなのですが、日本の学生は在学中から就職活動をはじめるという特徴があるため、
Shukatsuと日本語のまま使って内容を説明した方が言葉の意味は正確に伝わるかと思います。
even before they are in senior year in order to get a full time position.
This activity is called Shukatsu.
日本の大学生は在学中4年生になる前から正社員の枠を得るために職探しをはじめる。この活動は就活と呼ばれる。
内定をもらうはbe offered a jobと受け身で表します。
決まって現在働く先がある、という意味を含めて現在完了の受け身を使います。
内定が決まったよ。
3.クビになる、を英語でどう言う?
実生活で使いたくない文章ですが、
be fired/ be laid off とどちらも受け身です。
be firedは雇われ側の勤務態度などが原因でクビ。
be laid offは会社都合でのクビです。
be動詞だと状態、getに置き換えると「くびになる」というアクションに変わります。
10回遅刻して昨日クビになった。
I got laid off from the music company. Nobody buys CDs these days.
音楽会社をリストラされた。もう誰もCDを買う時代ではないからね。
4.(職場において)先輩/後輩、を英語でどう言う?
よく質問されたこの2つの単語。
適切な単語は英語に存在しません。
どうしたって無理です。
「仕事の先輩と飲みにいった」という文章、ふつうは
です。
Co-workerだと「同僚」ですよね?
「先輩」のニュアンスがでないんですが・・・という質問も次に続きました。
でもないものはないんです。
そこをどうしても言ってしまうと
「自分より長く会社で働いている人と飲みに行きました」という強調された文章になります。
I went out for a drink with my co-worker who has been working for the company longer than me.
そこをあえていう必要はありません。
「後輩」も同様です。
英語でどう言う?仕事編:まとめ
文化と密接につながっている単語は「日本語→辞書→英語」とするよりも、
「日本語→日本語でまず意味を説明→英語」とした方が正確に伝わる場合も少なくありません。
※特に和製英語は要注意です。
「ペーパードライバー」→運転免許証を持っているがめったに運転しない。
→I have a driver’s license but I never drive.
また、このプロセスを練習すると、わからない単語があっても会話を成立させることができます。
(例)体温計を借りたいが、「体温計」という英単語がでてこない。
A: Can I borrow…..I can’t remember the word. The tool for measuring temperature.
B: You mean “thermometer?”
こうやってボキャブラリーを増やしていくこともできます。
サービス残業は日本において大きな問題だ。