やんわり誘いを断りたい! 「今日はちょっと・・」の「ちょっと」は英語で何ていうの?

日本語から直訳したときに、意味が全く別になってしまう言葉がたくさん日本語にはあります。
というのも、日本語は言葉の意味だけではなく、場面に結びついて言葉を使うことが多いため、同じ言葉でも場面ごとに意味が変わることが多いのです。
今日はその中で、私たちがよく使う「ちょっと」の意味、使い方に注目をしてみましょう。

ちょっとの意味は?

「ちょっと」の基本的な意味は、量・程度が多くない、大きくないという意味ですね。

量→あ、もうお酒がちょっとしかない。新しいのを買いに行かないと。
程度→英語がちょっとわかります。

量を表す「ちょっと」は、量を表すもの(この場合はお酒)の名詞が数えられるか数えられないかで使い分ける必要があります。
数えられる名詞には a few、数えられない名詞には a little を使います。
程度の「ちょっと」は英語では a little (bit) を使うことが多いです。
【例】It’s a little bit complicated.

ただし、これは基本的な意味ですから、誘いを断るときに直訳で使っても、当然英語のネイティヴスピーカーには日本語のときのように意味が伝わりませんね。

「今日はちょっと」は曖昧さを表す表現

この場合の「ちょっと」ははっきりと理由を言わない、曖昧さを表す言葉です。
日本語では、誘いを断る際、はっきりと理由を言わず、曖昧な言葉を使うことで相手に察してもらうということをよくします。
完全に同じというわけではありませんが、英語でも同様に、直接理由を言わず、曖昧に返事をすることがたくさんあります。
そのために英語にも曖昧さを表す表現がいくつかあるので、それらでこの「ちょっと」と同じニュアンスを表現することができます。

曖昧表現:something

somethingは「何か」という意味です。
例えば、誘いを断る際に、忙しいということを理由にする場合、

ちょっと予定があって。
I have something to do.

と言うことができます。
something to do は、ちょっとやらなきゃいけないことがある、というニュアンスで使うことができ、何をやるか具体的な内容には触れない曖昧さを表す言葉です。

また、someを使って、

I have some plan(s) tonight.

と言うこともできます。
この場合も、予定がいくつかある、というsome本来の意味ではなく、日本語の「ちょっと予定があって」の「ちょっと」と同じ曖昧さを意味する働きをしています。

曖昧表現:kind of

kind of は「みたいな、ような」という意味です。
名詞だけではなく、形容詞にも使うことができ、その場合は日本語では「~的な」が近いかもしれません。

ちょっと忙しくて。
I’m kind of busy tonight.

kind of を使わないと、意味が直接的すぎるので、誘われたときに断る返事としてはあまり実用的ではありませんから、忙しいような→ちょっと忙しくて、という意味として使うことができます。

補足:maybeは50%

日本人の方がmaybeを使っているのをよく耳にします。
ただmaybeはもともと確率的に50%の意味ですから、返事として使ってしまうと、結局OKなのかどうかがよくわからなくなってしまいます。
返事として、maybeはあまり使わないほうが誤解がなくて良さそうですね。

日本語の「ちょっと」のニュアンスと、それと同じ意味で使われる英語のsome、kind of はご理解いただけましたでしょうか。
特に誘いを断る場合は、上手に断らないと人間関係に影響が出てしまいますから、曖昧さを表す表現はコミュニケーションで欠かせない存在です。
ぜひ日常場面でもどんどん使ってくださいね。