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日本語に定着したカタカナ英語の中には、
本来の意味とは全く別の意味に解釈されてしまうことが多いですね。
たとえば、あなたは「ナイーブな人ね」と言われたら、
どんな気持ちになりますか?
もしかしたら、「繊細な人ね」と言われたような気がして、
喜んでしまいますか?
日本では、細やかな感受性の豊かな人のことを言うときに用いることが多いです。
でも、実際の英語としての意味はどうでしょうか?
早速見てみましょう。
次の英語の意味を考えてみてください。
She was laughed because of her naive remarks.
remarksは「言動」です。
文の意味は、「彼女はその無邪気な言動のせいで笑われた」となります。
ここではnaiveは「無邪気な」という意味で使われています。
「無邪気な」の意味の中には、
「うぶな」「馬鹿正直な」「考えが甘い」「純真な」「天真爛漫な」
などという意味合いが含まれています。
It’s naive of you to believe him.
これは「彼を信じるなんて君はおめでたいな」となります。
つまり、あまりほめ言葉としては使われないということです。
naive person「世間知らずな人」
naive listener「人の話にだまされやすい人」
などという言い方もあります。
カタカナ英語をそのまま鵜呑みにしてはいけない、
ということですね!
では、「繊細な」と言いたいときは、
どのように言ったらいいのでしょうか。
fine(感覚などが繊細な)、
sensitive(芸術的な表現などが繊細な)、
subtle(微妙な)、
fragile(壊れやすい)、
delicate(形状などが繊細な、虚弱な)などを使います。
色々と並べてしまいましたが、
日本語の「繊細な」という意味合いの中には、いろいろな意味がり、
場面場面で使い分けた方が良いからなのです。
次に、これらの単語の使い方の例を挙げてみます。
fine adjustment「微調整」
sensitive actor「繊細な演技をする役者」
subtle change「微妙な変化」
fragile article「壊れ物」
delicate problem「デリケートな問題」
このあたりで、最初の問題点に戻ります。
日本語で言うところの「繊細な人」とは英語では、
「壊れやすい人」という意味では、
fragile personか delicate personのどちらかでしょう。
「感度の鋭い人」という意味では、sensitive personですね。
余談ですが、「霊感のある人」のことをsensitiveと言うこともあります。