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「私はマンションに住んでいます。」をそのまま英訳して、
I live in a mansion.
と言ったとしたら、
「私は豪邸に住んでいます」となってしまいます。
mansionは、「邸宅」「豪邸」という意味で、
大きな庭があり、その庭にはプールがあるような家のことを指します。
日本語の「マンション」に相当する英語は
apartmentまたはcondominiumと言います。
apartmentは、共同住宅の各区画のことを指します。
condominiumは、分譲マンションのことを指し、
土地が共同所有で、部屋だけが個人所有のマンションの一室のことです。
なので、日本でよく言われている「マンション」は
たいていapartmentかcondominiumのことなのです。
「アパート」もカタカナ英語で実際は「アパートメント」です。
では、なぜ私たちはアパートのことを「マンション」と言うようになったのでしょうか。
昭和30年代初めころから、公団住宅などとは一線を画した高級路線の集合住宅を、
高級感をイメージするために「マンション」と銘打って売り出したことに由来します。
「アパート」という名前で売り出すよりも、
「マンション」というとおしゃれで高級そうなイメージがありますね。
その後、多様なものが開発、販売されるようになっても、
「マンション」という呼び名が定着してしまったのです。
私が子供の頃は、まだ「マンション」などと呼ばれている建物はあまりありませんでした。
今では、「○○アパート」や「○○荘」という名前の付いた集合住宅
は少なくなってしまいました。
skyscraper condominium「超高層集合住宅」に住んでいる人もいますが、
確かにそのようなビルを「アパート」とは言いそうもありませんね。
実際は「マンション」とは言わないのに、それに慣らされてしまった私たちには、
カタカナ英語の方が正しいように思われます。
英語が日本に入ってきたときに、
何かの都合でかってに意味を変えられてしまうことはよくあることですね。
カタカナ英語を使うときは、「これは正しい英語なのだろうか」と考えてみることも必要です。
個人的には、「○○荘」という言い方は嫌いではありませんが。