皆さんは、言いにくいことや否定の感情をどのように表現していますか。イエスや賛成の意思を伝えるより、むずk恣意ですよね。ストレートすぎたり、逆に遠回しになりすぎ伝わらなかったり、ということもあるかもしれません。
そこでこの記事では、伝え方の方法の一つをご提案します。全面的にすべてを否定せず 「~は良い、~には賛成」と賛成や共感部分を先に述べ、その後に異なる意見や言いにくいことを述べる方法です。日本語でのイメージはこのようになります。
「、、、はいいけど、、、はちょっと(ただ)できない/困る/苦手/賛成できないetc」
では 早速練習しましょう。会話文とともに進めていきます。
シーン1
オフィスで、上司と部下(ボブ)の会話です。ボブが考案したプランについて 上司が「検討してみたが それは実行不可能だ」という場面。「アイディアはいいが、ただ十分な説得力がない」らしいのです。
A:Bob, about your written plan, well,it was not bad.
B:Thank you, sir.
A:But, I don’t think it’s feasible.
B:Could you tell me why?
A:I like your unique approach to the project but I just don’t think it’s persuasive enough.We need more specific explanation and…
B:OK. I understand.
この部分の 上司のセリフ
↓
“I like your unique approach to the project but I just don’t think it’s persuasive enough.”
(※persuasive=説得力がある)
前半で 「独特のアプローチはいいね」とボブの発案を認め、but以降で「ただ十分な説得力があるようには思えない」と 内容がやや不十分であることを述べています。
表現の組み立て方の基本
likeを使って認め(=I like your~) butで「しかし」と逆のことを述べる準備をし、but 以降は 否定の表現。受け手としても、良いことを言われた後butと続くと、「何か言いにくいことを言うのだろう」と予測でき、聞く準備ができます。
この場合のjustの役目は大きく二つ。
(1) 「ちょっと、、、」「ただ、、、(なだけ)」と言葉を濁し言いにくいことをぼかす役目
(2) 否定はただその一つである(たくさんはない)という強調
次の会話文へ移ります。
シーン2
海外から日本に来た留学生AとBは共同生活をすることになり、二人はそれぞれの役割分担を決めておくことにしました。それが共同生活をスムーズに進められるだろうというAの提案。Bは「料理は好きだけど トイレ掃除はちょっと」と言い、Aは「掃除はいいけど ただ料理はちょっとなあ」と言っています。会話の後半に注目。
A: So,let’s make our housework list! To do this, I’m sure we will avoid argument and stuff.
B:God idea! I like cooking but cleaning the bathroom is just…
A:OK! I can clean the bathroom but I’m just not much of a cook.
Bのセリフ
I like cooking but cleaning the bathroom is just…
「料理は好きなんだ でも トイレそうじはちょっと、、、」
likeを使い、料理は好きだ、と良い面を述べ、butで「しかし」と逆のことを述べる準備をし、but 以降は 「トイレ掃除はちょっと、、、」と言っています。
この時のjustの役目は 上述の(1)「ちょっと」「ただ」と言葉を濁しています。最後まで言わずに否定(=トイレ掃除はしたくないこと)の気持ちを表していますね。会話でよくあるパターンです。なくても成り立ちますが、ある方が「はっきり言いにくい」心情が際立ちます。
続いてAのセリフ
I can clean the bathroom but I’m just not much of a cook.
「トイレ掃除はできるよ でも ただ 料理はそんなにうまくないんだ」
これも解釈の仕方は同じです。canを使ってできることを述べ、but以降に、料理はちょっと(したくない・できない)という気持ちを表現。※not much of~=「大した~ではない」このjustの役目は上述(2) 否定はただその一つである(たくさんはない)という強調です。
さあ、最後の会話文です。
シーン3
友人であるアランとドンの会話。ドンは宝くじで大当たり!全額を寄付しました。それを聞いたアランは驚き 理解に苦しむね!と会話を始めます。「(全額ではなく)半額の寄付ならわかるけど、でも全額って、それちょっと、、」
A:I can’t understand. How would you…
B:I don’t care for wealth nor fame. I just wanted to do something good.
A:I could understand if you donated half the amount but you did all! It’s just…
(could) understand を使い「半額の寄付ならまだわかる」but 以降は 「全額寄付したよね」と ドンの行動をただ述べるだけで終わっていますが、明らかに賛成ではないことが伝わります。最後のIt’s just… =それってちょっと、、、と濁した部分には「ありえないよ」などの気持ちが含まれていることでしょう。
表現ができるまでの過程のまとめ
(1) 否定を表現する前に、良い面を述べる。この時 like /can/understand などや相手の言動を認める、受け入れる詞を用いる。
(2)次にbutを置き、but以降は相手の言動・考えに賛成ではないという否定を表現をする。notを使うことが多いが、それにこだわらず、否定していることが伝わる表現なら可能である。
(3)justの必要性。なくても成り立つが、あると「ちょっと(できない/無理だ)」「ただ(それだけができない/嫌だ)」などの「ちょっと」「ただ」の部分にある心情が際立つ。
最後に穴埋め問題にチャレンジ!
1. 買い物中のABの会話
A:How do you like this dress?
B:Well,I ( 1 ) the color( 2 )the designs is ( 3 )a little flashy.
「色はいいね、でも デザインがちょっとだけ派手だ」
1. like
2. but
3. just
2.すぐにでも彼と結婚したいというAにBが「彼に惹かれている気持ちはわかる、でも即決するには早すぎると思うよ」
I( 4 )you are really attracted by him( 5 )I ( 6 )( 7 ) it’s too early to decide.
4. understand
5. but
6. just
7. think
いかがでしたでしょう。
全面的に全てを否定するのではなく一部のノーの部分を伝える英語表現をご紹介しました。(また、ノーを全面的に伝えたいが、会話を円滑に進めたい時にもこの表現は使えます。)言いにくいことでも、それを伝えることを怠ると、会話・ビジネス・交渉の際に要点がぼやけ誤解が生じる恐れがあります。言いにくいけれど肝心な部分を伝えることで 相互理解も深ることでしょう。
是非、ご紹介した表現方法を使って相手へ伝えてみてください。