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今回は、「遺憾である」という言葉いついて。
誰かが何か悪いことをしようとしたときに、
「それはいかん!」
と、男性言葉で言うことがあります。
でも、これと「遺憾」とは別物なのでしょうか。
テレビを見ていると、政治家がよく「遺憾である」と言っているのを聞きます。
何かあってはならないことが起きたときに、よくこの言葉を耳にしますね。
この「遺憾」ということばが、私たちに違和感を覚えさせるのではないかと思います。
この難しい漢字の意味を調べると、
『思い通りに事が運ばなくて残念である.。』という意味が載っています。
つまり、『期待したようにならず、残念に思う。』とか、
『期待はずれで心残りに思う.』という意味なのです。
「遺憾」や「残念」という言葉を英語にすると、
regret:名詞で「遺憾」「後悔」「痛恨の念」、動詞で「後悔する」
shame:名詞で「恥ずかしさ」「恥」「不名誉」、動詞で「恥ずかしい思いをさせる」
too bad:形容詞で「お気の毒な」「残念な」
などがそれに近いと思います。
上記の単語を使って、例文を作ってみましょう。
「私たちのしたことを深く後悔しています。」
We deeply regret what we did.
「上司と口げんかしたことを後悔しています。」
I regret quarreled with my boss.
「そのようなことを目にするのは残念に思います。」
It’s a shame to see such a thing.
「京都の春を見逃すのは残念です。」
It’s a shame to miss Kyoto in the spring.
「こんな日に働かなくてはならないなんて残念です。」
It’s too bad I have to work on a day like this.
「もっと長くここに居られないのは残念です。」
It’s too bad I can’t stay here longer.
ここまで見てきて思うことは、「遺憾に思う」という日本語の曖昧さです。
政治家たちが、何かことがあったときに「これは遺憾に思う。」と言いますが、
これは、もっと強い嫌悪の感情を抱えていないと通じない場合が多いと思います。
「残念だ」とか「後悔している」などという甘い物ではない場合に彼らは使います。
たとえば、汚職問題に対してはその嫌悪感を表さなければなりません。
「汚職に手を染めるなど、遺憾である。」と言う場合、その嫌悪感を表すには、
I hate turning to corruption.
hateは「憎む」「ひどく嫌う」、corruptionは「汚職」です。
おじさんが、「それはいかん!」というときのような表情で言うときは、
hateの方が良いかもしれません。
それとも、政治家たちは「遺憾である」という言葉を使って、
自分の意見をオブラートに包んで発したいのでしょうか。
これからも、わかりにくい日本語を英語と一緒に考えていきたいと思います。