目次
「なるほど~」
日本語の会話を聞いていると本当によく使われる相づちです。
英語ではなんと言うのでしょう?これが分かると上手く会話が流れそうですね。
前後関係にもよりますが、多くの場合以下の3つのフレーズが使われます。
(1) I see.
(2) I get it. (過去形のI got it.や完了形のI’ve got it.も使います。)
(3) That makes sense.
1つずつ使われ方の事例を解説します。
1. I see. の「なるほど」の使い方
“see”は“見える”というのが基本の意味ですが、他に理解している、という意味があります。
A: Do you know that the pianist is very nervous?
(ピアニストがとても緊張しているのがわかる?)
B: Yes, I can see that. Her hands are trembling.
(ああ、わかるよ。 彼女の手が震えている。)
というふうに使ったりします。
“I see.” は“そうですね”程度の意味で相手に自分が話しを聞いているということを軽く伝える働きをし、もっとも一般的でよく使われる相打ちです。気軽な会話で相手の話を聞き流す時に使ったりもします。
2. I get it. の「なるほど」の使い方
getにも“理解する”という意味があります。ニュアンスの違いは以下となります。
“I see.”
→ 聞き流している印象を与えがち。
“I get it./ I’ve got it./ I got it”
→何かのやり方などの説明を聞いてその内容を理解した、という意味で使うことが多く、”I see.”よりも積極
的に話しを聞いている印象を与えます。
3. That makes sense. の「なるほど」の使い方
これは、かなり積極的に相手の話を聞いている時に使います。相手の話の論理に耳を傾け、筋が通っていると感じた時に使います。
上の3つの表現の違いを端的に聞き手の積極性の度合いに基づいて整理すると以下のようになります。
← より積極的に聞いている → より消極的に聞いている(聞き流している)
That makes sense. > I get it. > I see.
最後に、問題にチャレンジ!
それでは、下記の3つの会話で、最後に“なるほど”と言いたい時、上の3つの“なるほど”のうちどれを使うのが一番自然でしょうか?
「なるほど」の会話例(1)
A: I can’t open this can. Do you know how to do it?
(この缶が開かないんだ。どうやって開けるのかわかる?)
B: Yeah, you just have to push it first and then turn it clockwise.
(ああ、ちょっと最初に押してそれから時計回りにまわせばいいんだよ。)
A: (なるほど。)
「なるほど」の会話例(2)
A: Do you know where Tom is? I haven’t seen him since this morning.
(トムがどこにいるか知っている? 今朝からずっと見ていないんだけど。)
B: Oh, he is on vacation. He will be back next Monday morning.
(あら、かれは休暇中よ。来週の月曜の朝に戻ってくるわ。)
A:(なるほど。)
「なるほど」の会話例(3)
A: In case of typhoon, you shouldn’t use an umbrella.
(台風の場合は傘を使うべきではないんだよ。)
B: Why?
(なぜ?)
A: Because it’s so windy that umbrellas are blown away. Raincoats are much more useful when having a typhoon.
(なぜなら、すごく風が強いから傘は飛ばされてしまうんだ。台風の時はレインコートの方がずっと役に立つのさ。)
B: (なるほど。)
回答例
・会話(1) =1番自然なのはI’ve got it.
説明を聞いて、“理解した”というニュアンスです。I seeでもOKですがI’ve got itを使うとより、しっかり理解した、ということを伝えられます。論理的な部分は弱いのでこの場合That makes senseはあまり使いません。
・会話(2) =1番自然なのはI see.。That makes senseは、よほどトムがいないことが予想に反していて、みんなで探し回った挙げ句、休暇中ということが判明したといった状況なら可能です。
・会話(3)= 風が強くて傘は飛ばされてしまう、という理屈について話しているので、That makes sense が自然に使えます。I seeも、使えますがより、聞き流している感じが強まります。
若い人たちを中心に口癖のように使われる“なるほど”という相づち。“なるほど”の英語版を使いこなせるようになると会話の達人に近づきますね!