英単語を覚える時、何を一番意識しますか?
例えばyummyという言葉を子供に教えるとします。
その時に、ただ「おいしいはyummyっていうのよ」と言ったところでなかなか子供は覚えません。
なぜならおいしいというその言葉の裏にある背景が伝えられていないからです。
例えば一緒に食べながら、”Wow it’s yummy” と言ってあげれば、それを見て子供は、おいしいってyummyっていうんだ、と覚えていくのです。
背景と言葉がしっかり連動すれば、言葉はとても覚えやすいものになるのです。
西洋の焼く文化
西洋では昔から肉とパンが食文化の中心でありました。
焼くという調理にこだわったため、そこから様々な言葉が発達していきます。
例えば、鳥を丸焼きにする、これは英語でなんて言うか分かりますか?
皆さん聞いたことある単語だと思いますが “roast”といいます。
焼き鳥のように網の上で焼く場合 “grill”、
パンをトースターで焼く場合は、”toast”、
ケーキやトマト、ナスなど丸ごとオーブンで焼く場合は “bake”、
野外でバーベキューを行う場合は “barbecue”と言います。
ではこのような焼く文化が発達していなかった日本では、この色々な焼き方を日本語でなんと表すのでしょう?
そう、答えは「焼く」この一言のみなんです。
それもあって日本の英語教育ではこれらのすべての焼き方をまとめて”焼く”と訳すことが多いですが、いざ海外に行って焼くという言葉を使おうと思ったら、どう使いこなしたらいいか分からなくなりますよね?
《例》カフェでお店の人に食パンを焼いてほしいと伝えたい時、なんと言うでしょう?
“Could you grill a white bread?”
こんな風にもし伝えてしまったら、食パンをフライパンで焼いてほしいのかなと思われてしまいます。
なので、”Can I have a toasted bread?” のように伝えるといいでしょう。
※ちなみに日本人は食パンのことをトーストと言いますが、海外ではa white breadと言います。
日本の煮る文化
一方日本では米が主食で、魚や野菜を煮炊きするという食文化が中心でありました。
そのために水や煮炊きの言葉が発達していきます。
例えば、水を煮え立たせることを日本語では ”沸かす”ですよね。
熱湯で野菜などを煮ることは “ゆでる”、野菜やお肉、魚などの食べ物を火にかけて熱し、食べられるようにすることは “煮る”、お米を火で煮ることは “炊く”、と、色々な言い方があります。
ではこの煮る文化がなかった西洋ではなんと英語で表すのでしょうか?
答えは “boil”この一言なんです。
《例》外国で「野菜を茹でて下さい」と伝えたい時なんというでしょうか?
答えはCould you boil the vegetables, please?となるんです。
この背景さえ知っていれば、日本の感覚で、ゆでる?煮る?沸かす?なんて言うんだろうと迷わなくなります。
※ちなみに、お米は世界中でとても人気なので、お米を炊く時は、cook riceとか、steam riceなどと言うことができます。
英語で「焼く」練習問題
私は鳥の丸焼きが好きです。 I like a _____ chicken.
今日ケーキを焼きたいです。 I want to _____ a cake.
私は焼いたチキンが食べたいです。 I want to eat a ______ ticken.
正解は・・・roasted/ baked/ grilled
ぜひ言葉の背景を理解したうえでトライしてみて下さい!