日本語から最も英訳しづらい表現といえば、擬音語・擬態語ではないでしょうか。
擬音語・擬態語を辞書で調べると、英語で何というか載っていることもあるかと思います。
しかし、擬音語・擬態語にあたる直接の表現が英語にはありませんので、どうしてもその都度文脈を考えて説明的に訳すしかありません。
例えば「ゴロゴロする」という表現がありますが、「家でゴロゴロする」「岩がゴロゴロしている」などいろいろな場面で使います。
気をつけなければならないのは、日本語で「ゴロゴロ」と言っても、文脈がさまざまであることです。
それぞれ英語で何と言うか考えてみましょう。
「家でゴロゴロする」は英語で何ていう?
「家でゴロゴロする」とは、そもそもどういう意味でしょう。
「何もしないで過ごす」「まったりする」「リラックスする」「寝転がって過ごす」などが全部合わさった意味ではないでしょうか。
こういう表現の場合、英訳の定訳は特にありません。
その都度自分が表現したいニュアンスを考えて、臨機応変に訳します。
例えば「週末私はただ家でゴロゴロして過ごしました。」というとき、以下のような言い方があります。
【例文】
1) During the weekend, I was just lying around at home.
During the weekend, I was just sitting around at home.
「週末、私はただ家で寝転んでいた」というニュアンスです。
2) During the weekend, I was just chilling out at home.
「週末、私はただ家でリラックスしていた」というニュアンスです。
3) During the weekend, I was just at home, doing nothing.
「週末、私はただ家にいて、何もしなかった」というニュアンスです。
「山に岩がゴロゴロしている」は英語で何ていう?
「家でゴロゴロする」は見ましたが、では「山に岩がゴロゴロしている」というときはどのように表現できるでしょう。
上記の例文をそのまま当てはめることはできません。
また文脈に応じて、何を表現したいのか具体的に、説明的に考える必要があります。
「岩がゴロゴロしている山」とはどんな山でしょう。
辺り一面にたくさんの岩がある山です。
「その山は岩がゴロゴロしている」という文の英訳としては、以下のようなものがあり得ます。
【例文】
1) That mountain has rocks everywhere.
「その山は辺り一面岩だらけだ」というニュアンスです。
2) That mountain is full of rocks.
「その山は岩で一杯」というニュアンスです。
3) That mountain is quite rocky.
「その山はとても岩石が多い」という(ゴツゴツしたイメージを持つ)ニュアンスです。
練習問題
1)「家でゴロゴロしたい」と言いたいとき、使えない表現は次のうちどれでしょう。
A. I would like to stay at home and do nothing.
B. I would like to chill out at home.
C. I would like to roll around.
2)「気をつけて。岩がゴロゴロしてるから」と言いたいとき、使えない表現は次のうちどれでしょう。
A. Watch out. There are rocks everywhere.
B. Watch out. Rocks are chilling out.
C. Watch out. This place is quite rocky.
【正解】
1) C
2) B
まとめ
擬音語・擬態語を英訳するのは一見難しいですが、定訳がない分、日本語の意味を考えて具体的に説明することに慣れれば、それほど難しいことではありません。
逆に、何気なく使っている日本語について、実際これはどういう意味なのだろうと考える良い機会にもなるでしょう。
私たちの日常に「ゴロゴロしている」擬態語・擬音語を、試しにどんどん英語にしてみましょう。