日本語特有の表現と思われるものに「愛想をつかす」というのがあります。
愛想をつかすの英語表現
そもそも、「愛想」は英語でなんというのでしょうか?
調べると、friendliness や courtship, incenseなどがでてきます。
これらを使って「愛想をつかす」を表現しようと考え、no more courtshipのように伝えようとするかもしれません。
今回、ご紹介する表現では、「愛想」という語自体は用いません。
「つかす」という否定的なニュアンスとは対照的な「give」を使って表します。
“give up on~”という表現で「愛想をつかす」という意味になります。
give=「与える」と習ってきたので、この表現に不思議な感覚を覚える方も少なくないかもしれませんね。
giveのコア・ミーニングとその使用例
「愛想をつかす」=”give up on ~”に使用されている「give」のコア・ミーニングは何でしょうか?
「自分のところから何かを出す」がgiveのコア・ミーニングです。
映像で捉えると、giveは手を内側から外側に広げるようなイメージです。
そう考えれば、giveが「与える」だけでなく、
「(大声、ため息)を出す→They give a big shout.」
「(パーティーなどを)用意する→We give a party for our friends.」
「示す、掲示する→He gives a good explanation of the project.)」
という場面での使用もイメージがつきやすいですね。
「愛想をつかす」では、giveは「尽かす」つまり「尽きる」=中から外に出ていくという語のイメージで使われています。
コア・ミーニングが分れば、あとは国語力で話せる
日本語独特の表現と思われる「愛想をつかす」に値する語句が英語でもあり、さらにそれをgiveを使って表現するのは意外ですよね。
それも、giveのコア・ミーニングを知ることで納得できます。
コア・ミーニングを把握できれば、あとは国語力で対応可能なので、語彙力増加の近道にもつながりますね。
興味のある方は、コア・ミーニングが載っている英語辞書もありますので、学習に取り入れるのもいいかもしれません。