「~できた」にいつもcouldを使うと不自然?

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日本人が間違えやすい英語表現の一つに「could」があります。

「could=can(~できる)の過去形」という概念があるため、
過去形で「~できた」と表現したいときに
常に「could」と英訳してしまうことが多いのです。

しかし、何でも「~できた=could」で表現すると
不自然にきこえる場合があります。

今回は、「~できた」と伝えたい場合に
どのような表現を使えるかケース別にみていきます。

否定文「~できなかった」にcouldを使うのは自然

「できなかった」という否定文の場合には
「could」を使って問題ありません。

I couldn’t tell him what I was really thinking.
(本当に思っていることを彼に伝えられなかった。)

The cat couldn’t enter the house.
(そのネコは家に入れなかった。)

My sister couldn’t pass the test again.
(妹はまたテストに受かることができなかった。)

どの文章も、「~できなかった」と否定の意味合いなので
この場合には「could」を使って問題ありません。

しかし、問題は肯定文の場合です。
couldが使える場合と使えない場合をみてみましょう。

肯定文のcouldは「過去にできていた能力」を表す

When I was little, I could ride a unicycle.
(子供の頃、一輪車に乗ることができた。)

My father could speak better English before.
(私の父は以前はもっと英語がうまく話せた。)

She could play tennis like a pro by the age of 13.
(13歳にはプロのようなテニスができた)

以上の様な技術や能力をあらわす「~できた。」はcouldが使えます。
ところが、そうでない場合もあるのでみてみましょう。

肯定文で、能力に当てはまらない「~できた」はcouldだと不自然

My sister could enjoy the party.
(妹はパーティーを楽しむことができた。)

I could find my wallet at the station.
(駅で財布をみつけることができた。)

The cat could enter the house.
(そのネコは家に入ることができた。)

I could finish my homework.
(宿題を終わらせることができた。)

こういった文章は「能力」ではなく、「過去において実現したある行動」です。
自然な英語に 直してみましょう。
couldを外して過去形にすればOKです。

My sister could enjoy the party.
→ My sister enjoyed the party.

I could find my wallet at the station.
→ I found my wallet at the station.

The cat could enter the house.
→ The cat entered the house.

I could finish my homework.
→ I finished my homework.

もし上記の文章に「努力や苦労を伴った」ニュアンスを付け加えたいのであれば、
couldではなくwas/were able toとします。

(例)
×→ I could finish my homework.
〇→ I was able to finish my homework.

また、「ある困難な状況の中でできた」のであれば、managed toを使います。

(例)
×→ My train was late but I could make my flight.
〇→ My train was late but I managed to make my flight.
「電車が遅れていたが、フライトに間に合った。」

例外として、きこえた、見えたなどの知覚を表す動詞には、
肯定文においてもcouldを置いて構いません。

hear, see, smell などの知覚動詞が後ろにある場合はcouldで自然

I could hear what they were talking about.
(彼らが何を話していたのか聞こえた。)

My brother could smell something burning.
(弟は何か燃えているにおいを嗅ぎつけた。)

Everyone on the train could see the mountaintop.
(電車内の誰もが山頂をみることができた。)

みえた、きこえたなど五感を使った動詞には、
能力を示さずともcan/couldを使うことができます。

couldの使い方:まとめ

一つの日本語「~できた」を意味で区別すると、
「能力」と「過去のある行動」との2つにわけることができました。
状況や前後の文章に応じて日本語が複数に解釈できるとき、
英語もそれに応じて使い分ける必要があります。
単語は一つ一つ【日本語←→英語】と覚えていくよりも、
文章の中で覚えたほうが使い方の誤りを避けることができます。