目次
- 陶芸を英語で言うと?
- 陶芸
- 陶芸家
- 陶芸教室
- 陶芸体験
- 陶芸を英語で説明すると?
- 陶芸用語の英語集
- ceramic tools & equipment 道具について
- type of clay & state of clay 粘土の種類と状態
- types of firing, glazing, and common glazes 主な焼き方とよく使われる釉薬
- types of Japanese vessel & vessel parts よく使われる器の種類と器のパーツ
- types of decoration 装飾の種類
- techniques 技法
- 陶芸の制作工程を英語で説明する
- 陶芸中に使える指示英語フレーズ
- Wheel throwing stepsー電動ろくろの工程を英語で説明する
- Hand-building steps (coil building version)ー手びねりの工程(ひもづくり編)を英語で説明する
- この記事を書いた英会話講師
- 陶芸家/陶芸教室運営者のための英会話レッスン
陶芸を英語で言うと?
陶芸
陶芸を日本語で言うとceramics、またはceramic artと表現されます。ただ、陶芸は一語で表現出来ますが、陶器は英語でpotteryとceramicsの両方で表現されます。陶芸をpotteryと表現することも多いので要注意です。
potteryとceramicsの大きな違いは、potteryは、主にfunctional vessels(用のうつわ、陶器)を示しcraftsman(職人)が窯元や製陶所で作るproduction pottery (陶器製造)のことを表します。日本で言う焼きものがこちらの言葉に当てはまるでしょう。ceramicsはもう少し大きな括りの言葉で、アーティスティックな陶芸のオブジェや彫刻から、美術品としてのうつわやセラミックを材料とした工業(ceramic industry 窯業とも言われます。)も含まれます。
陶芸家
陶芸家もpotterとceramist両方で表現されます。上記同様、ceramistは包括的な表現で、陶芸家全般を示します。potterはpot(容器)を作る陶芸家に限定されます。potter[pɑ’tər | pɔ’tə]の発音がよくpotty(幼児用トイレ)[pɑ’ti | pɔ’ti ]と間違われやすいので気をつけましょう。
陶芸教室
陶芸教室はいろいろな言葉で表現されています。pottery schoolやceramic school、center for ceramic art、clay centerのほか工房を表すpottery studio、clay studio、ceramic workshopなどがよく使われています。potteryという言葉の発音が通じにくいのと、その言葉を知らない一般の方が多いことからceramicもしくはclayを使った表現の方が理解されやすいかもしれません。
陶芸体験
同じ理由でceramic workshopやclay workshop、もしくはceramic experienceなどがわかりやすいでしょう。pottery trial、pottery trial lessonなどもよく使われています。
陶芸を英語で説明すると?
観光地で陶芸教室をやっているとちょくちょく海外からの観光のお客様が迷い込んでいらっしゃることがあります。そんな時、よく「ここは何をするところですか?」”What kind of place is this?”と聞かれることがあります。そんなときはこんな風に陶芸を説明します。
This is a pottery studio. We make hand-made functional ceramics here. We also offer short pottery trial lessons daily.
(ここは陶芸工房です。手作り陶のうつわを作っています。 毎日気軽に参加できる短時間の陶芸体験もご提供しています。)
それに対してよく聞かれるのが、土のこと。
「それはいいですね。土は何を使っていますか?土はどこの土ですか?」
”Oh, that sounds great! What kind of clay do you use? Where do they come from?”
日本の焼きものの最大の魅力は今でも産地ごとに採掘される自然の土で作っていることかもしれません。土の違いに魅力を感じて産地巡りをする外国人観光客もたくさんいらっしゃいます。
いわゆる産地で陶芸をやっている方にとってはこれは簡単な質問でしょう。
We use clay from this area.(この周辺で採れる土を使っています。)
首都圏の場合も土の仕入れ先をご案内すればよいと思います。
We use red clay from Shigaraki. (信楽の赤土を使っています。)
陶芸用語の英語集
外国の方にご自分の作品を説明したり、陶芸教室でおもてなしするために覚えておきたい専門用語をご紹介します。
ceramic tools & equipment 道具について
電動ろくろーelectric wheel, potter’s wheel
蹴ろくろーkick wheel
盤面ーwheel head
窯(電気窯、ガス窯、灯油窯、薪窯、登り窯、穴窯)ー
kiln (electric kiln, gas kiln, kerosene kiln, wood kiln, climbing kiln, cave kiln)
土練機ーpug mill
攪拌器ーelectric clay mixer
手ろくろーbanding wheel
針ーneedle tool
削り道具ーtrimming tool
カンナーturning tool
剣先ーpointed tool
亀板ーbat
ふるいーsieve
はかりーscale
コテーrib, rib tool, throwing rib
つげべらーmodeling tool
かきべらーloop tool
なめし皮ーchamois leather strip
シッタ(湿台)ーtrimming chuck, sitter
トンボー”dragonfly” size gauge
パスーcalipers
弓ーcutting bow
スポンジーsponge
イッチンーslip trailer
紙ヤスリーsand paper
切り糸ーwire cutter, cutting string
シッピキーcutting tool, potter’s wire
ポンスーpiercing tool
石膏型ーplaster mold
ひしゃくーladle
霧吹きーspray tool
筆ーbrushes
印花ーstamps
type of clay & state of clay 粘土の種類と状態
生素地ーgreen ware
半乾き素地ーleather hard
素焼き素地ーbisque ware
完全に乾燥した素地ーbone dry
可塑性ーplasticity
低火度ーlow fire, low temperature
高火度ーhigh fire, high temperature
焼締ーvitrified ceramics
土器ーearthenware
炻器ーstoneware
磁器ーporcelain
ドベ、化粧土ーslip, engobe
泥しょうーslurry
シャモットーgrog
types of firing, glazing, and common glazes 主な焼き方とよく使われる釉薬
釉薬ーglaze
焼成ーfiring
酸化ーoxidation
還元ーreduction
収縮率ーshrinkage
窯入れ、窯出しーloading kiln, unloading kiln
熟成温度ーmaturing temperature
焼きがあまい(温度が低い)ーunderfire
流しがけーdripping
浸しがけーdipping
柄杓がけーpouring
吹きがけーspraying
長石、長石釉ーfeldspar, feldspathic glaze
石灰釉ーlimestone glaze
灰釉ーash glaze
自然釉ーnatural glaze
青磁ーceladon
鉄釉ーiron glaze
志野ーshino glaze
織部ーoribe glaze
types of Japanese vessel & vessel parts よく使われる器の種類と器のパーツ
器ーvessel, pot
茶碗型ーbowl type
筒型ーcylinder type
高台ーfoot
胴ーbody
壁面ーwall
底ーbase
茶溜りーtea pool
口縁ーlip
注ぎ口ーspout
とってーhandle
蓋物ーlidded form
花瓶ーflower vase
飯碗ーrice bowl
湯のみーtea cup
抹茶碗ーtea bowl
徳利ーsake bottle
ぐい呑ーsake cup
酒器ーsake set
片口ーsingle spouted form
つるくびーbottle neck form
types of decoration 装飾の種類
面取りーfaceting
櫛目ーcombing
彫花ーcarving
磨きーburnishing
布目ーcloth texturing
三島手、象嵌ーinlay
掻き落としーsgraffito
刷毛目ーbrush stroke pattern, brush mark slip
染付ーblue and white wares, cobalt stain
ベンガラーiron stain
飛びカンナーchatter decoration, chatter marks
粉引ーwhite slip ware
下絵ーunderglaze
上絵ーoverglaze
練り上げ、練り込みーclay marbling and mosaic
蝋抜きーwax resist
火だすきーfire-cord decoration
techniques 技法
土殺し、芯だしーcentering
土練りーwedging
荒練りーhead wedging, rough wedging
菊練りーspiral wedging
手びねりーhand building
電動ろくろ成形ーwheel throwing
玉作りーpinch pot
ひも作りーcoil building
板作りーslab building
型起こしーpress mold
鋳込みーslip casting
陶芸の制作工程を英語で説明する
陶芸家のある先生が以前、陶芸教室は英語が話せなくてもある程度”Watch me.”(見て下さい)と”Like this.”(こんな風にやります。)”Try.”(やってみて下さい)である程度成り立つとおっしゃっていたことがありますが、やはりpointers(助言ポイント)を伝えられると断然教えやすくなります。ここでは指示フレーズの後に来る制作過程のキーフレーズをまとめました。
陶芸中に使える指示英語フレーズ
First, we will _________________. Next, we will_________________.
(まずは〜をやります。次に〜をやります。)
Let’s _____________.
(〜をやってみましょう。)
Please _______________.
(〜をやってみてください。)
Wheel throwing stepsー電動ろくろの工程を英語で説明する
1- wedge clay to de-air
(空気を抜くために土練りする。)
2- center clay by pulling up and down the clay on the wheel
(粘土を引き上げたり降ろしたりして中心を合わせる。)
3- make a hole in the middle
(真ん中に穴を開けます。)
4- widen the hole to create a base
(穴を広げて底を作ります。)
5- flatten the bottom by pressing down
( 底を抑えて平らにします。)
6- pinch the wall with your fingertips with your thumb outside
(指で器の壁の部分を摘みます。この時親指は壁の外側になります。)
7- slowly turn up the wall, adding little pressure from both sides
(少しずつ両側から圧を加えながら壁を立ち上げます。)
8- recenter by cuddling from outside
(外側から手で包んで中心を再確認します。)
9- smooth the lip with the chamois leather
(なめし皮で口元を整えます。)
10- cut the piece off the wheel head with the cutting tool.
(しっぴきを使って器をろくろから切り離します。)
Hand-building steps (coil building version)ー手びねりの工程(ひもづくり編)を英語で説明する
1- make a ball of clay and pat it down to create the base
(粘土を丸めて板の上で叩いて器の底面を作ります。
2- cut the base into the shape that you like with the pointed tool
(剣先で底面を好きな形に切ります。)
3- slip and score the edge of the base
(底面の端の部分に傷をつけてドベをぬります。)
4- make a coil and place it on the edge of the base
(ひもを作って、端に揃えて置きます。)
5- push down the coil to seal the gap, and pinch it up.
(隙間がないようにひもを押し付けて、つまんで伸ばして立ち上げます。)
6- erase the joint marks.
(継ぎ目を消して下さい。)
6- repeat the same process until the wall reaches the desired height.
( 目標の高さになるまで同じ工程を繰り返します。)
7- trim the lip with a cutting bow to level
(弓で口縁を平らに切りそろえます。)
こちらはまだまだごく一部ですが、なるべくシンプルで短いキーフレーズでを使って、お手本を見せながら説明してみましょう。
この記事を書いた英会話講師
オンライン
ボストンの子供美術館やニューヨークの陶芸専門画廊勤務を経てアメリカの大学で5年ほど陶芸を教えたのち帰国。
2009年より陶芸を通したインバウンド事業に着手。
アメリカの陶芸雑誌Ceramics Monthly のライターとして日本の陶芸についての執筆にも携わる。
日本とアメリカで作品を常設販売している。
陶芸家/陶芸教室運営者のための英会話レッスン
外国人をおもてなししたい陶芸家/陶芸教室運営者で、このようなご希望をお持ちの方向けオンラインマンツーマン英語指導/発音指導/英会話レッスンをご提供しています。
(対面またはオンラインレッスン60分2500円都度払い。入会金・月会費別途)