“because”といえば、皆さんご存知のとおり、理由を意味する英単語ですね。
中学校で習う英単語ですし、日本でも歌詞で使われたりしているので、日本人にとってもなじみ深い単語の一つと言えますね。
ただ、実は英語には他に理由を表す単語の”since”があり、becauseとはまた違ったニュアンスで使われていることをご存知でしたか?
今日は、”because”と”since”の使い分けについて考えてみましょう。
becauseは新情報
“because”はニュアンス的に「なぜならば」という相手の知らない情報(聞き手は知らないと話し手が思っている情報)、つまり新情報を伝える際に使われます。
ですから、「~ので」と訳した場合でも、新情報であるbecause以下の文が伝えたいポイントだと考えられます。
I slept all the day yesterday because I was sick.
(病気だったので、昨日1日中寝ていました。)
I bought a new bike because my old one was stolen.
(前の自転車が盗まれてしまったので、新しいのを買いました。)
どちらもニュアンスとしては、because以下の文が話し手が伝えたい内容ということになります。
ちなみに、
Because I was sick, I slept all the day.
というように、because以下のまとまりを文の最初に持ってくることもできますが、あまり使われない形です。
というのも、上の例文のように文の後半に持ってきた方が、聞き手に対して理由を強調しやすいからです。
sinceは旧情報
becauseとは逆に、“since”は聞き手が知っていること(聞き手は知っていると話し手は思っていること)、すなわち旧情報を何かの前提として言うときに使われます。
Since it’s raining, we have to cancel our baseball game.
(雨が降っているので、野球の試合はキャンセルしなければなりません。)
この場合は、「雨が降っている」ことは聞き手も知っている情報で、つまり旧情報であまり重要ではありません。
むしろ、「キャンセルしなければならない」という結果の方に重きが置かれます。
またbecause同様に、sinceのまとまりを文の後ろに持ってくることが可能です。
We have to cancel our baseball game since it’s raining.
sinceとよく似たasの使い方
実は“as”も、この旧情報を表す”since”と同様の使い方をすることができます。
We have to cancel our baseball game as it’s raining.
ただし、asはsinceよりもフォーマルな言葉であることと、asそのものにたくさん意味があるため、聞き手に誤解がないよう、使う場合は注意が必要です。
話し言葉では、asにとって代わって“so”がよく使われます。
It’s raining, so we have to cancel our baseball game.
soは、結果を表すシンプルな使い方ですから、聞き手に対しても意味が伝わりやすく、便利な言葉です。
いかがでしたでしょうか。
この使い分けは、ある程度文脈や場面と結びついて使われるので、一文だけではなかなか難しいところがあります。
大切なことは、英語はコミュニケーションですから、sinceもbecauseも聞き手のことを考えて使い分ける、ということですね。