AとTheの違い
anotherとthe otherの違いを知るには、まずaとtheの違いから確認しましょう。
Aは「いくつかある中の一つならどれでも」。
Theは「いくつかある中の決まったもの」。
例に挙げると、
I want a dog. (どんな犬種でもいいから)犬が欲しい
I want the dog. (ペットショップや道端で見た)あの犬が欲しい。
theを使うだけで、「これ」という決まったものになります。
I need a dress for the party.
パーティーがあるからドレスが必要ね(⇒どのドレスでもいいが、とにかくドレスを手に入れないと)
I need the dress for the party.
パーティーがあるから、あのドレスが必要なの
(⇒決まったドレスがあり、それをどうしてもパーティーに着て行きたい!の意味が強い)
one, another, the other
それでは、本題のanotherとotherの違いに戻ります。
anotherはanとotherがくっついたものなので、「aの用法」になります。
the otherはそのまま、「theの用法」で考えます。
oneと一緒に理解すると分かりやすいので、一緒に確認していきましょう。
I have three brothers.
One is a doctor, another is a teacher and the other is a comedian.
私は兄弟が三人います。
一人は医者で、二人目は先生、そして三人目はお笑い芸人です。
Oneは2つ以上を説明するとき、「一つめは、一人目は~」で使います。
Anotherは残り二つある中のどちらか一つ(一人)を指し、これと言って指定していないのでaの意味を持つanotherになります。
そして残った一人がハッキリわかっているので、限定の意味をもつThe otherを最後に出します。
違いは分かりましたでしょうか?
それでは、問題です。
この場合、空欄に当てはまるのはanotherとthe otherのどちらでしょうか?
There are two cars.
One is red and ( ) is black.
車が二台あります。
一つは赤で、もう一つは黒です。
二つしかない場合でも、一つ目はone is~で説明するので、残ったものはハッキリしていますよね?
その場合は、すでに決まった状態を表す「the other」が正解になります。
the otherは複数形になる
otherはanotherと違い、複数形にすることが出来ます。
先ほどの例を使ってみましょう。
I have three brothers.
One is a teacher, and the others are doctors.
私には兄弟が3人います。
一人目は先生で、他の二人は医者です。
残り二人がハッキリしているのでthe othersが来ます。
このようにthe otherは単数でも使えますが、複数形にしても使うことが出来るのです。
othersの使い方
最後に、othersの用途を見てみましょう。
the other(s)を使うと、theが付いるので「残っているもの(人)全て」と限定的になってしまいますよね?
物事を特定するtheが消えたothersは「他のもの(しかし残り全てではない)」という意味になります。
Some people love parties; others don’t.
(パーティー好きもいれば、苦手な人もいる)
何人かはパーティーが好きだけれども、パーティーが嫌いな人もいる。つまり残っている人、全員が嫌いという訳ではないのです。
それでは、the othersにしたらどうでしょう?
I have 40 students in my class. Some students love parties; the others don’t.
(私のクラスには40人の生徒がいる。何人かはパーティー好きだが、残り全員は苦手だ)
the othersは、「そのグループに残っている人たち全員」の意味を持つため、ネイティブがthe othersを使う場合、その前文を必ず必要とします。
「the」は特定の人たちを指すため、誰を指しているのか明確に示す必要があるのです。
確認問題
当てはまるのはどちらでしょう?
1.I have three pens. One is red, (another / the other) is yellow and (another / the other) is blue.
(ペンを2本持っています。一つは赤で、2つ目は黄色、そしてもう一つは青です)
2.Some books are easy to read, but (the others/ others) are pretty difficult.
(簡単に読める本もあるが、結構難しい本もある)
3.She has three dogs. One is white and (others / the others) are all black.
(彼女は3匹犬を飼っている。一匹は白いが、残りの2匹は真っ黒だ)
答え
1.another, the other
残り2つの内、どちらかを指定してないのでanotherが先に来ます。そして残り一つが特定されたのでthe otherが次の答えです。
2.others
一般的に、難しい本もあります。という説明なので、簡単な本以外、残り全てが難しい本という訳でないので、特定しないothersが答えになります。
3.the others
一匹目は白い犬、そして残りの犬2匹がはっきりしているので、残り全部を表すthe othersが答えです。
いかがでしたか?
one、another、the other(s)、othersの違いは分かりましたでしょうか?
混乱しやすい使い分けでしたが、特に重要なtheの使い方を意識すれば、理解しやすいのではないかと思います。
二つ以上ものを説明するときなど、日常でも使いながら慣れていくのが一番かもしれません。