演奏ができれば、会話がなくてもコミュニケーションが成り立つことから、「ミュージシャンに言葉はいらない」と思う方もいるかもしれません。その答えは「Yes and no(はい、とも、いいえ、とも言える)」です。
もちろん、演奏が素晴らしければ言葉を超えた繋がりが生まれることは間違いありません。
しかし、自分自身の事を伝えたり、相手の音楽的なバックグランドを聞いたりなど、英語で会話が出来ればもっと世界は広がります。
このページでは、「ミュージシャン・演奏家の方が知っておくと便利な英語・音楽用語のご紹介」と、「ミュージシャン・演奏家のための英語指導/英会話レッスンのご案内」をしています。
ミュージシャン/演奏家が知っておくと便利な英語と音楽用語
ミュージシャンを英語で言うと?
ミュージシャンを英語で言うと musicianです。
日本語と同じように見えますが、発音に注意です。
musician [mjuːzíʃən]
ミューズィッシャン、と真ん中[si]にアクセントがあり、しっかりと小さい「ッ」を挟み込みます。
ちなみにmusicianというのは音楽家の総称です。
楽器の各パートを英語で言うと?
日本語とほぼ同じですが発音に注意です。
ボーカル:vocalist [vóukəlist] ヴォゥカァリィストゥ
*[vo]にアクセントがあります。
または、singer [síŋər] シィン(ガ)ァ
ギタリスト:guitarist [gitɑ’rist] ギィタァリィストゥ
*ギタリスト、ではなく「ギターリスト」と発音します。
または guitar player
ベーシスト: bassist [béisist] ベェィシィストゥ
*最初の[ba]にアクセントがあります
または bass player
ドラマー:drummer [drʌ’mər] ドゥラァマァ
キーボーディスト:keyboardist [kíbɔ`rdist] キィボォ(ル)ドィスト
*最初の[Key] にアクセントです
または keyboard player
サックスプレイヤー: saxophonist [sǽksəfòunist] サァクサァフォゥニィストゥ
*最初の[sa] にアクセントです
または saxophone player
自分のパートを紹介する時は、
I’m a guitarist.
バンドの名前を入れたい時は
I’m a guitarist of ____ バンド名.
といいます。
ミュージシャンがライブで使う英語
日本から海外のフェスに参加したり、また来日している海外のバンドと共演する機会があったとします。
そんな時に使える英語をまとめました。
英語で挨拶/自己紹介
欧米社会では、日本のような年功序列式の話し方はせずに、基本はカジュアルです。
例)Taroというギタリストと、共演する海外のバンドStone Rosesのドラマー、Alanとの会話を見てみましょう。
Taro:Hi, I’m Taro. Nice meeting you! I’m a guitar player.
Alan:Hi, I’m Alan. Nice meeting you, too. I’m a drummer of Stone Roses.
Taro: I know! Actually, I’ve been a big fan of Stone Roses for a long time!
(知ってるよ!実は僕は長い間Stone Rosesの大ファンなんだよ)
Alan:Oh, wow! Thanks for that!
(そうなんだ、ありがとう)
Taro:I can’t wait to play with you.
(一緒に音出すの待ちきれないな)
ライフハウスや会場に関する英語
楽屋:dressing room
PA(音響担当):sound engineer
サウンドチェック:sound check
モニタースピーカー:monitor speaker
音量を上げる、下げる:turn up/ turn down
マイク:microphone
アンプ:amplifier (アンプリファイア、アクセントは頭のamです)
同期音源:back track
例)
Can you turn up the bass from my monitor speaker?
(モニターのベースの音を上げてもらえますか?)
Can you turn down the guitar from your amplifier?
(アンプのギターの音を下げてもらえますか?)
日本では「音響さん」などと仕事で呼ぶ事もありますが、海外ではどのような職種であってもそれはあまりありません。
なるべく早めに名前を覚えるのが得策です。
ミュージシャン同士のカジュアルな英会話
ステージに上がる仲間のミュージシャンに「頑張ってね!」と言いたい時は
Break a leg! /Good luck!
Break a leg を直訳すると「脚を折って」となり不吉な感じがしますが、ステージマンの間ではよく使われる、幸運を祈る言葉です。
パフォーマンスが終わって賛辞の言葉をかけたい時は
You were absolutely awesome!
(本当にすごかった!)
You nailed it!
直訳は釘を打つ、という事になりますが、それくらいバッチリ決まった、という時に使います。
スラングの危険
日本語で言うところの「やばい」に近いのですが、素晴らしい事をbad, sickなど逆の言葉で表現する時があります。
例)He’s bad!
英語が流暢な人でない限り、基本的には外国人が使うのは少し危険があると覚えておきましょう。
タイミングを間違えると言葉通りに取られてしまったり、余程話せると思われて容赦なく英語を浴びせられるかもしれません。
自分が外国人である事を忘れずに、英語にリスペクトを持ってネイティブのミュージシャンが良く使うスリリングなスラングはしばらくは控えておきましょう。
終演後の打ち上げに声をかける
打ち上げは、after party という言い方が近いです。
場所を変えて飲みに出る場合は、
Do you want to go out for drinks with us after the show?
(終わったら一緒に飲まない?)
という誘い方が良いです。
リハの現場で使う言葉
昨今は日本在住の海外のミュージシャンも多く、英語で現場を乗り切るようなニーズもあるかもしれません。
いくつかリハ現場での言葉を紹介します。
コード/テンポの英語表記
コードは日本と表記がほぼ一緒ですが、たまにCM7=CMA7、Cm7=CMI7などと、メジャー、マイナーをMA/MIと書いてある場合があるので見間違えないようにしましょう。
小節の表現/曲の場所を示す英語
小節は bar で表現します。
例)Can we practice the first 4 bars?
(最初の4小節練習しない?)
例)What’s the chord for the 5th bar?
(5小節めのコードなに?)
イントロ:Intro(頭のI にアクセント)
Aメロ、Bメロ:verse
サビ:chorus/hook
間奏/ギターソロ:bridge/guitar solo
曲頭:the top
テンポが早い/遅い:tempo is too fast/slow.
音が大きい/小さい:loud/ soft
エフェクター類:pedals
over drive/compressor/chorusなど物の名前は、ほとんど日本と同じです。
例)Can we try from the top?
(頭からやってみない?)
I think we better play faster and the chorus should be louder.
(もう少しテンポ上げて、サビでもっと盛り上げた方が良いと思う。)
海外のセッションに飛び入りする場合
日本でも定着した参加型ジャムセッションですが、英語ではただ「Jam」という言い方をして、Jazz jam, Blues jamといった呼び方が一般的です。
渡航の際には、googleで「jazz jams in London/ Blues jams in New York」などで検索をかけると、各地でその日に行われているjamが見つけられます。
英語と音楽の武者修行をするのにはとても良いチャンスだと思います。
お店に楽器が設置してあるかどうかを聞く時
日本と違って海外のjamでは、楽器は簡単に借りられません。
自分の楽器を持っていくのがベストですが、ない場合はお店にこのように訪ねてみましょう。
Do you have a house guitar/bass?
この場合 house というのはお店の事を指し、house guitar はお店の(つまり借りられる)ギターです。
ホストバンドの事を host band の代わりに house band という言い方をする時もあります。
先ほどのAlanとTaroの会話で例を見てみましょう。
例)
Alan:I’ll be hosting a blues jam this weekend. Do you want to come?
(週末にブルースジャムのホストやるんだけど弾きに来る?)
Taro:I’d love to! Where is it?
(ぜひ行きたいな。どこでやるの?)
Alan: At _____ お店の名前 in Soho.
Taro: Do they have a house guitar?
(お店のギターあるかな?)
Alan: Yes! No problem.
(大丈夫、あるよ。)
Blues jamで演奏形態の説明を英語でする場合
Jazz jamは、ある程度のJazzの知識がないと少し戸惑ってしまうかも知れませんが、Blues jamは3コードのブルースが弾ければ大体のことは大丈夫ですので少し敷居が低くなります。
このような会話を覚えておくと良いでしょう。
・Slow blues in E, quick change. :スローブルースをEで、2小節目はサブドミナントへ行って。
・Shuffle, C minor. :Cマイナーのブルース、シャッフルで。
・Stormy Monday in G :ストーミーマンデーをGで。
演奏が終わって誰かに話しかけられることもあるかもしれません。
What’s your music background?
と聞かれたら、これは「あなたの音楽性は何?」つまり好きなジャンルやアーティストを聞かれています。
その場合は
I like Rock music and I love Jimi Hendrix.
などと答えると良いでしょう。
ミュージシャン/演奏家のためのマンツーマン英語指導/発音指導/英会話レッスン
ミュージシャン/演奏家の方で、このようなご希望をお持ちの方向けオンラインマンツーマン英語指導/発音指導/英会話レッスンをご提供しています。
(オンラインレッスン60分2500円都度払い。入会金・月会費別途)
基本的な会話くらいは問題なく出来るようになりたい。
このようなミュージシャンの方のためのマンツーマンレッスンです。
ミュージシャンのためのマンツーマンレッスンが選ばれる理由
日本でも海外でも活動が出来るミュージシャンになるための基礎英語を学べる
欧米社会のエンタテインメント業界では、日本人のようにしなやかで余計な事は口にしないという仕事上の美学のようなものが通用しない場合があります。
時にはしっかりとYesとNoが言える事、またその理由を言える事が大切です。
また、言われている事が分からない場合も、分かるまでしっかり聞き返す事も大切です。
英語力は、ミュージシャンとしてのアイデンティティと権利を守るものと言って過言ではありません。
そのためには、やはり土台のしっかりした基礎英語力が必要となり、海外で音楽の仕事をしたいと考えているミュージシャンは音楽を追求するのと同じレベルで基礎英語力を付ける事が必要となってきます。
基礎英語力があれば、その先の応用へ繋げられて、しっかりとした地盤の英語力が身につきます。
基礎英語力が無いままフィーリングで英語を習得しようとすると遠回りになり、生活英語は覚えられても、しっかりとしたコミュニケーションに繋がる心の通った会話は難しいかもしれません。
音楽に例えると、インターバルやコードの仕組み、譜面を勉強する事で圧倒的な時間節約が出来て、新しい音楽の吸収が早くなるのと同じです。
レッスンでは各々のレベルに合わせての「思い出し基礎英語」の学習、また求められるシチュエーションへの応用、語彙のインプット、会話のロールプレイを行います。
音楽現場は一期一会、一度しか無いチャンスを逃さないためにも「分からない時のヘルプワード」「日程、時間表現」「お金の交渉」など場面別の英会話にもフォーカスします。
音楽業界に精通しているプロの日本人英会話講師のマンツーマン指導
発音とニュアンスを感覚的にコピーさせる事の多いネイティブ講師と違い、日本人講師は効果的に日本語を使いながら英語を理論的に導入するので、一時的ではない永久的に使える知識とスキルをしっかりと身につけられます。
また、音楽業界に精通しているプロ日本人講師が担当するので、音楽的な視点をメインに、生徒様のレベルに合わせた効果的な英語の学習方法を教えてもらえます。
ネイティブ講師にありがちな、単なる英会話の練習や感覚的な歌の指導ではなく、英語と音楽を組み合わせたきめ細やかなマンツーマン英語指導が受けられます。
オンラインレッスン60分2500円の低価格、都度払いで続けやすいシステム
音楽と英語の両方のスキルアップをかなえる、プロ日本人講師のマンツーマン指導が、60分2500円の都度払い。
音楽と英語を組み合わせたレッスンの相場は、60分7500円~なので、市場価格の3分の1。
オンラインレッスン、都度払いだからこそ実現できる低価格の料金体系です。
ミュージシャンのためのの英語指導/発音指導/英会話レッスン事例
ワーキングホリディビザでイギリスに2年滞在予定のギタリスト(20代男性)
どんなご希望?
基礎的な会話をするくらいの英語力はあるが、ライティングやリスニングに自信が無い。
イギリスで生活をする上で必要な英語、なるべく早く音楽コミュニティに入るための会話力を付けたい。
レッスン内容
自身の英語力を正しく把握している。
基本的なことは問題なく伝えられるが、文法的間違えや発音、イントネーションを学び直す必要がある。
(1)ランダムに写真を見て、その写真に何が写っているかを英語で表現するpicture taskを行う。それによって状況に応じての文章構築力、より多くの形容詞を学ぶ。
(2)イギリスで想定されるシチュエーションを話し合い、日本語で流れを作り、英語でロールプレイをする。
例)新しいお店で演奏のオファーが来る→仕事を受ける→時間とギャランティを聞く→日程を決める→メンバーに連絡する
(3)弱点を洗い出してその部分の文法を日本語で学習し、しっかり使える生きた英語になるまで応用する。
(4)テキスト(イギリス英語のテキスト)を導入してリーディング、リスニングの強化。
(5)自身の持ちうる英語力を総動力して、言いたい事を伝える「瞬間英訳」トレーニングを毎回3分と時間を決めて行う。
基礎文法に立ち返りながら、音楽の現場に繋げられるようなレッスンを半年間の短期集中で行いました。
基礎文法を理解した後は、インプットした新しいボキャブラリーは正しく文章に組み込むことが出来るようになりました。
英語の学習と音楽の学習はとても似たところがあるので、英語と音楽を互角に並べながら学べた事で集中力の高いレッスンになりました。
担当講師
オンライン
90年代に2度のバンドメジャーデビューを経て2000年以降フリーランスベーシストとして様々なアーティストのツアー、ライブサポート、レコーディングに参加する。
同時に2000年より自身のベーススクールを開講、トレーナーとして後進の指導にあたる。また教則DVDも多数リリース。
演奏に加え、語学力を生かして英語を歌うシンガーの発音指導、作詞ディレクション、ミュージシャンのための基礎英語のトレーニングも行う。
2010年より2年に一度、English&Music共にアップデートの目的でロンドンへ里帰りをしている。
ミュージシャンのための英語指導を受けた生徒様の声
生活の場を移す事で音楽以外の英語を学ぶ必要性があったのですが、レッスンでは同時進行出来たような感じです。
逃げ続けていたリーディングやリスニングを行った事で新しい言葉のインプットが増えて瞬間英訳も少しずつ時間短縮して答えを出せるようになりました。
イギリスでは現地のランゲージスクールに通う予定ですが、そこでも使える英語をインプットして貰えたので良かったです。
(20代男性 ギタリスト)